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「もりそば」と「ざるそば」の違い

もともとそば切りは、汁につけて食べるものだったが、元禄の頃からか、この食べ方を面倒くさがる男たちが、いちいち汁につけずにそばに汁をかけて食べるようになった。
この安直な食べ方を「ぶっかけそば」と称して最初に売り出したとされるのは、江戸は新材木町にあった「信濃屋」が始まりと、寛延四年刊『蕎麦全書』には書かれている。
立ったまま食べられるように冷やかけにして出したとされるが、詳細な年代は不明。
その後、寒い季節になるとそばを温め、熱い汁をかけて出すようになった。
これならば器も一つですむと重宝がられ、やがて広く売り出されるようになったという。
このぶっかけそばが「ぶっかけ」になり、さらに「かけ」と称されるようになったのは、寛政に入ってからのことです。
そして、ぶっかけが流行るにつれて、それまでの汁につけて食べるそばと区別して呼ぶ必要が出てきた。 そこで生まれた呼び名が「もり」である。

安永二年刊の『俳流器の水』初編に「お二かいハぶっかけ二ツもり一ツ」の句が見えるので、既にこの時代には一般に使われていたようです。
「蒸籠に盛る蕎麦を盛りといひ、盛蕎麦の下略なり」と『守貞漫稿』にあるが、「高く盛りあげるからもり」とも言われる。

一方、ざるそばの元祖とされるのは、江戸中期、深川洲崎にあった「伊勢屋」で、蒸籠や皿ではなく竹ざるに盛って出すので「ざる」と名乗ったのが始まりと言われる。
江戸時代のざるは、四角い平らなざるや丸型のざるにのせて出されていたと文献に残っている。
「もり」にもみ海苔をかけて、蒸籠も替えて「ざるそば」として売り出したのは、明治以降のことである。
もりとは明確に区別する為、汁もぐんとコクの深いざる汁を用いるのが決まりだった。
ざる汁とは、普通のかえしにさらに、みりんを混ぜた御膳がえしを加えた辛汁のことである。
しかし、近年では、一部の老舗などを別としてざる汁を別に作る店は非常に少なくなっており、一般には「もり」と「ざる」の違いはもみ海苔の有無だけになってしまっているようだ。
また、海苔かけ、海苔なしということだけでなく、そば自体の品質の違いや器でも区別しているお店もある。

<参考資料>そば・うどん百味百題

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